漸進性過負荷の原則

 

今日のテーマは 『漸進性過負荷の原則』 です。

 

漸進性過負荷の原則とは

漸進性過負荷(ぜんしんせいかふか)の原則とは、筋肥大や筋力の向上を継続して起こしていくための筋力トレーニングの基本原則のことです。

この原則には ❝漸進性❞ と ❝過負荷❞ という2つの要素が含まれていますが、それを少し説明します。

まず、 ❝過負荷❞ とは「許容以上の負荷が加わる状態」「通常の負荷を上回る負荷がかかる」という意味で、日常的にかかるような負荷ではなく、それより大きな負荷となる刺激を、筋肉へ与えるということです。

軽い負荷では、当然身体にとって充分な刺激になりません。筋肉を強く、大きくさせるためには、慣れている強度以上の負荷を与える必要があります。これが「過負荷の原則」です。

次に、 ❝漸進性❞ とは「順を追ってだんだんと進むこと」「少しずつ進歩する」という意味で、過負荷の状態を徐々に進めるということ、つまり、順を追って少しずつ負荷を上げていくということです。

同じトレーニングを行っていると、始めは過負荷であったとしても、筋肉がそのトレーニングの刺激に慣れてきて、過負荷ではなくなってしまうので、少しずつ段階的に過負荷の環境を作り出し、それを継続していく必要があります。これが「漸進性の原則」です。

ということで、「漸進性過負荷の原則」とは「自分の能力を少し超える負荷でトレーニングをし、その負荷に慣れたらまた少し負荷を上げる…これを継続的に繰り返すこと」と説明できます。要するに、常に自分の力の ❝1歩先・1段上❞ に挑戦し続けることが、筋肉を強く大きくするための基本ということです。

 

あらゆることに応用できる

ということなのですが、今回1番伝えたいことは、筋トレの話ではなく、この「漸進性過負荷の原則」は、自分の成長・向上に繋がるあらゆることに応用できるということです。

筋トレはもちろんですが、テニスの技術練習やメンタルトレーニング、学校の勉強や日々の生活習慣改善など、様々なところでこの考え方を取り入れることができます。というか、「成長・向上のためには、取り入れなければならない」と言えるかもしれません。

筋力トレーニングにおいて「漸進性過負荷」を実現する方法としては、
・重量を上げる ・回数を増やす(セット数を増やす) ・セット間インターバルを短くする ・動作スピードを変える ・頻度を増やす ・難易度を上げる ・・・・etc。

といった方法がありますが、このようなことを他の分野にも応用します。

例えば、テニスでラリーの練習をするとして、「まずはゆっくり10往復続ける目標」で始めて、それがだいたいできるようになったら、「次は15往復にしよう」とか「同じ10往復でもスピードを上げよう」とか「深いボールのみをカウントしよう」とか「アレーの中だけで打ち合おう」とか、いろんな負荷をかけていきます。

何らかの習慣構築をする時でも、「まずは○○を3日続けよう」でスタートして、続いたら「今度は5日続けよう」とか「もう少し時間を増やそう」とか「もう1つやることを増やそう」とか、徐々に高負荷にしていきます。

このような感じで、自分なりにいろいろと考えたり工夫したりしながら、様々な場面で「漸進性過負荷の原則」を取り入れることをお勧めします。

上手に取り入れることができれば、この原則は、自分自身の成長・向上に大いに役に立ってくれると思います。

ただ、注意点としては、右肩上がりに順調に一直線に成長していける訳ではないので、それは ❝想定内❞ に入れておかないといけません。(もちろん、一直線を否定しているわけではなく、そうなれば素晴らしいですし、そのような時期もあると思います。)

失敗しても、上手くいかなくても、それは当然起こることですので、必要以上にネガティブ反応しないようにしたいです。怒らず恐れず悲しまず、フィードバック(正しい反省)をして前に進むだけです。

(ちなみに、「怒らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に生きよ!」は、中村天風さんの ❝三忽三行(さんこつさんぎょう)❞ の教えです。 ❝三忽❞ とは、「三つのしてはいけないこと」 ❝三行❞ とは、「三つのすべきこと」という意味です。)

 

名言集

それでは最後に名言集です。

 

「自分を破壊する一歩手前の負荷が、自分を強くしてくれる。」

ニーチェ(ドイツの哲学者)

 

「人は身体も脳も一定以上の負荷を欠けないと成長しない。そこが深く理解できるようになれば、誰だって努力が続くようになる。」

本田圭佑(プロサッカー選手)

 

「記録を達成すると、たくさんの人から褒めてもらえます。そして、イチローは人の2倍も3倍も頑張っていると言う人が結構います。でも、そんなことは全くありません。人の2倍とか3倍頑張ることってできないよね。みんなも頑張っているからわかると思うんだけど。頑張るとしたら自分の限界…自分の限界って自分で分かるよね。その時に自分の中でもう少しだけ頑張ってみる。ということを重ねていってほしいなというふうに思います。」

イチロー(主催の学童野球大会閉会式でのスピーチ)

 

「重荷が人をつくるのじゃぞ。 身軽足軽では人は出来ぬ。」

徳川家康(戦国大名・江戸幕府を開府)