逆転負けパターン①「油断」

 

今日のテーマは 『 逆転負けパターン①「油断」』 です。

 

自分の「逆転負け」経験

 

今回は、私が今まで色んな試合をみてきた中で、結構目にすることが多かった「逆転負けパターン『油断』」です。

テニスの試合経験が豊富な人であれば、「勝ったと思ったところから逆転負けしてしまった」という経験をしたことがあると思います。

ジュニアの試合でよく目にしましたし、プロの試合ですらたまに見かけます。そして、もちろん私自身も経験があります。

もうずいぶん前のことですが、3セットマッチで6-1、3-1でリードしていて、その次の第5ゲームを、ものすごく長いデュースの末ゲットして4-1となった時、私はベンチに座って「これは、相手に相当なダメージを与えただろう。ガックリしているに違いない。もう勝ったな…( ̄ー ̄)ニヤリ。」と思ってしまいました。

すると、張り詰めた糸が緩まってしまったのか、急に疲れを感じ始め、次のゲームで足がつりかけ、5-2でマッチポイントを掴んだ時に完全につって動けなくなり、数分後に全身けいれんで病院送りになった…という、なかなか他の人には真似できない悲しい出来事を経験しました(-_-;)。

「勝った!」と思ってしまった、つまり「油断」したことが、逆転負けに繋がってしまったのです。

自己報酬神経

 

こんなことになってしまう原因は1個だけではなく複数あるわけですが、そのうちの1つは、脳の仕組みから説明できることです。

脳の中には ❝自己報酬神経群❞ というところがあります。これは文字通り「自分へのご褒美」をモチベーションにして働く部位です。

「ご褒美がもらえそうだ⇗」という ❝期待❞ がある時には、 ❝自己報酬神経群❞ がフル回転するので、パフォーマンスが上がるのですが、逆に「ご褒美が得られた!達成した!」と思うと、脳が働きをやめてしまい、パフォーマンスが下がるのです。

つまり、「もう勝てるだろう⇗」「よし、勝った!」などと思うと、 ❝期待❞ が満たされて脳機能が低下し、力を緩めてしまうのです。

試合終了までパフォーマンスを維持するためには、「勝利」という ❝期待❞ を脳に持たせ続けなければいけないのです。

上記の私の例は、正に、 ❝自己報酬神経群❞ の働きを自ら止めてしまったことにより起こったと言えるでしょう。

北島康介選手が行った練習

 

アテネと北京でオリンピック2大会連続金メダルを獲得した水泳平泳ぎの北島康介選手は、自らの記録を更新するべく、次のような練習に取り組みました。

「途中でゴールをゴールだと思った瞬間に、ただの選手になる。」(自分は懸命に泳いでいるつもりでも、「そろそろゴールだ」と思った瞬間、「もう頑張らなくていい」と脳が判断して無意識に力を緩めてしまう)…という脳の仕組みを知った北島康介選手と平井コーチは、

「プールの壁をゴールと思うのではなく、壁にタッチした後、振り向いて電光掲示板を見た瞬間をゴールとする」

という ❝新たな自分のゴール❞ を設定し、その練習を何度も何度も繰り返して習慣化しました。この練習でタイムを縮めることに成功した北島康介選手は、その1ヶ月後の大会で世界記録を塗り替えたのでした( ゚Д゚)。

 

名言集

 

それでは最後に名言集です。

 

「もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である。」

渋沢栄一 (日本資本主義の父、2021NHK大河ドラマ主人公)

 

「轢かれる危険が最も多いのは、ちょうど一つの車を避けた時である。」

ニーチェ (ドイツの哲学者)

 

「安心、それが人間の最も近くにいる敵。」

シェイクスピア (イングランドの劇作家・詩人)

 

「油断こそ 大敵なりと 心得て 堅固に守れ おのが心を」

脇坂義堂 (江戸後期の心学者)