今日のテーマは 『「作業興奮」~やる気スイッチを入れる方法~ 』 です。
作業興奮とは?
「作業興奮」とはどういうことかというと、「ほんの僅かでもいいので、行動し始めると ❝やる気スイッチ❞ が入りますよ」ということです。
この効果は、ドイツの精神科医、エミール・クレペリンという先生が発見したと言われています。
「いやいやそんな簡単にやる気になれたら苦労しないよ…」と思う人もいるかもしれませんが、これは脳科学の理論に基づいています。
❝やる気❞ は脳内で作られます。
❝やる気❞ を出すためには、❝やる気❞ に関連している側坐核(そくざかく)という脳の部位を働かせる必要があるのですが、この側坐核を動かすスイッチが、「手を動かすこと」だそうです。
脳科学では、❝手❞ は脳の出先器官と言われています。
そしてその側坐核が刺激されると、ドーパミンという快楽ホルモンが分泌され、❝やる気❞ が湧いてくる…という仕組みなのです。
つまり、「ほんの僅かでもいいので、とりあえず行動してみることで、だんだんやる気が出てくる」というのは、❝やる気❞ を出させるための子供騙し的な嘘とかではなく、科学的に証明されている脳のメカニズムということです。
ちなみに、前回のテーマである「ベイビーステップ」が有効なのは、このメカニズムがあるからとも言えるでしょう。
ベイビーステップを考える
日々の生活の中で、面倒くさいと思うこともあると思います。例えば・・
「部屋の掃除をしないと…でも面倒くさい…」
「宿題をしないといけない…でも面倒くさい…」
「レポートをまとめないと…でも面倒くさい…」
「今日は筋トレをする日だ…でも面倒くさい…」
「今日はまだ素振りをしていない…でも面倒くさい…」
「ランニングもしないといけない…でも面倒くさい…」・・・etc。
という感じです。
そして、このような時、「結局行動しなかった…」という経験がある人も多いと思いますが、こういう時は「ベイビーステップ」を考えて、激甘レベルでもいいので、とりあえず動いてみるようにします。
「部屋の色んなところにホコリが…掃除をしないと…でも面倒くさい。」・・・そういう時は、とりあえずアルコールティッシュでスマホだけでも拭いてみて下さい。つい他のところも拭いてしまう可能性が高いです。
「筋トレの日だ。でも面倒くさい。何セットもしたくない。」・・・そういう時は、とりあえず1回だけ腕立てしよう…ということで、とりあえず腕立ての体勢になってみて下さい。
「せっかくだからもうちょっとやろう…」となるかもしれません。
「素振りしないといけない…でも面倒くさい…」そういう時は、素振りしなくてもいいから、とりあえずラケットを握ってみてください。
つい、何回か素振りしてしまうでしょう。
このように、「激甘レベルの行動(ベイビーステップ)でいいので、とりあえず動いてみる」というのが、良い作戦なのです。
1歩でもいいから前進する
「面倒くさがり」「行動力ない」「続かない」などの『セルフイメージ』を持っている人は、まずは「ベイビーステップ」を意識してください。
無理に頑張ろうとしなくてもいいですし、バカみたいに低い目標設定でもいいのです。
「中途半端にやるくらいなら、やらないほうがマシだ!」という話を聞いたことがありますが、これは「ベイビーステップ」や「積み重ね」を否定する考え方だと思います。
やめたくなったらやめていいし、中途半端でもいいし、少量でもいいのです。「ゼロではない」ということが大切です。
まずは1歩でもいいので、動いてみて下さい。その1歩が、10歩・100歩・1000歩・・・に繋がっていくのです。
これは「短期目線」にも「中長期目線」にも、両方ともに当てはまる考え方です。
名言集
それでは、最後に名言集です。
「諸君にとって最も容易なものから始めたまえ。ともかくも始めることだ。」
カール・ヒルティ (スイスの哲学者)
「疑わずに最初の一段を登りなさい。階段のすべて見えなくてもいい。とにかく最初の一歩を踏み出すのです。」
キング牧師 (1964年ノーベル平和賞受賞者)
「成功する秘訣を教えてほしい、どうすれば夢を実現することができるのか、とよく人から尋ねられる。自分でやってみることだと私は答えている。」
ウォルト・ディズニー (ディズニーリゾート創立者)
「私は小さい頃貧しかったので、最初は腹一杯食べたい夢でした。丁稚奉公にいってからは、貯金して早く店を持ちたいと思いました。商売をはじめても、大きな会社など望みませんでした。一段上の夢を着実にこなしていっただけです。」
松下幸之助 (パナソニック・旧松下電気創業者)
「障子を開けてみよ。外は広いぞ。」
豊田佐吉 (トヨタ創業者)
「どんな道でも進まなければ山にたどり着かない。」
ノルウェーのことわざ
「『僕はずっと山に登りたいと思っている…。でも明日にしよう。』恐らくあなたは永遠に登らないだろう。」
ナポレオン・ボナパルト(フランスの皇帝・革命家)
「自分が行動したことすべては取るに足らないことかもしれない。しかし、行動したというそのことが重要なのである」
マハトマ・ガンジー(インド独立運動指導者)
「為せば成る 為さねばならぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」
上杉鷹山 (米沢藩第9代藩主・江戸時代屈指の名君として知られる)