短期目線・中長期目線

 

今日のテーマは 『短期目線・中長期目線』 です。

 

進化・成長するために、日々真面目に取り組んでいる方は、達成したい目標や、こうなりたいという理想を持っていると思います。

実際、目標や理想を持つことは素晴らしことですし、それに向かって日々やるべきことを積み重ねていくことで、自分を高めていくことができます。

 

短期目線

 

ただ、「短期目線になり過ぎてはいけない」という注意点があります。

もちろん、まずはベイビーステップが大事ですし、目の前のことにも注意を払う必要がありますので、「短期目線」も必要です。

しかし、「短期目線」で目標や理想(結果)を執拗に追いかけてしまうと、メンタルが不安定になりやすいです。

それはなぜかというと、短期的には、上手くいかないこと(ミスすること)が多いからです。

何をするにしても、初心レベルや初級レベルのステージの時は、「短期的にはミスばっかり…」である可能性が高いですし、上級レベルの人であっても必ずミスはあります。

例えば、『テニスの試合の時』で言うと…

・打点を前で打とうと思ったのに、振り遅れてミスした
・ストレートに決め球を打ったのにサイドアウトした
・チャンスボールをバシッと決めたいのにネットに引っ掛けた
・ダブルフォルトした・・・etc。

という感じです。

しかし、このような短期的なミスは必然であり、必ず起こることです。

なのにもかかわらず、「この試合、もう絶対にミスはしないぞ!」というような短期目標を掲げてしまうと、その目標は達成されないので、当然感情が揺れ動きます。

「なんでできないんだ!」と目の前のミスに1回1回ネガティブ反応してしまうことにも繋がるでしょう。

こんな感じで、完璧主義者的になってしまったら、メンタルを安定させることは不可能です。メンタルが不安定なので、パフォーマンスも不安定になり、更にミスを増やすことになってしまうでしょう。悪循環です。

 

中長期目線

 

ですので、目標や理想(結果)を追いかける時は「中長期目線」を持ちましょう!ということなのですが、「中長期目線」という考え方を説明するために、例を挙げたいと思います。

例えば、『試合時の目標設定の例』として

「短期目線」・・・目の前の試合で勝つ

「中期目線」・・・試合中に課題とする技術や戦術を使う

「長期目線」・・・自分の理想像に近づくべく成長する

のように設定したとすると、たとえ目の前の試合に負けたとしても(短期的失敗)、試合中に課題とする技術や戦術を使って良いプレーができたのであれば、中期目線では目標達成(成功)です。

ですので、❝短期的な失敗は、中期的な成功に含まれている❞ と言えます。

また、試合中に課題とする技術や戦術を使うことができずに、手痛い敗戦を喫したとしても(中期的失敗)、その手痛い経験によって、自分の理想像に近づくべく成長できた(成長に繋がる素晴らしい経験ができた)のであれば、長期目線ではある意味目標達成(成功)です。

ですので、 ❝中期的な失敗は、長期的な成功に含まれている❞ と言えます。

つまり何が言いたいのかというと、「目の前のミスや失敗や敗戦に対して必要以上に反応しなくてよい」ということです。

もちろん、正しくフィードバックすることは大切ですが、過剰にネガティブ反応する必要はないのです。より上位の目線を持って、またすぐに前に進み始めれば良いということです。

短期的な失敗にいちいちネガティブ反応して立ち止まっていたら、中期目標にたどり着くのが遅くなってしまいます。また、中期的な失敗に過剰にネガティブ反応して立ち止まっていたら、長期目標にたどり着くのが遅くなってしまいます。それどころかたどり着けないかもしれません。

「ミスや失敗や敗戦」は、どんな人でも必ずありますので、ネガティブ反応し過ぎて、長時間立ち止まることがないようにしたいです。時間は有限です。

 

「中長期的な成功」の例

 

もう1つ例を挙げます。

だれもが皆、小さいときに自転車に乗る練習をしたと思います。その時、いきなり乗れた人はほぼいないと思います。

何回も何十回も何百回も、転びそうになったり、実際に転んだりしながら、何度も何度も何度も何度もチャレンジするうちに、だんだんと乗れるようになってきます。

これ正に ❝短期的な失敗は、中長期的な成功に含まれている❞ ということです。

何度失敗しても、またすぐに立ち上がってチャレンジすることで、フィードバックの回数も増えて少しずつ上達し、そのうち簡単に乗れるようになるのです。

1回転ぶ度に、座り込んで泣きわめいたり、叫びながら走り回ったり、凹んで体育座りしたりしていたら、なかなか乗れるようになりません。

 

現代社会の風潮

 

ということで、「短期的なミス・失敗に過剰反応するのはナンセンス」ということなのですが、実は、現代社会では ❝良い結果❞ を短期的に追い求める風潮があります。

「現代の人は昔の人に比べて精神的に弱くなっている」という話を聞くことがありますが、これは、社会全体が ❝良い結果❞ を短期的に求めすぎていることが原因の1つだと考えられています。

会社や学校では、短期目線の ❝◯✖❞ で判断され、ミスや失敗をすぐに咎められ、常に ❝良い結果❞ を求められます。家庭内でもそうかもしれません。

短期的な営業成績や、短期的な定期テストの点や、目の前の1試合の結果で、褒められたり怒られたりします。

もっと言うと、さらに短期的に、授業中にちょっとした計算問題を1問間違えたくらいで「こんなこともできないのか!」と怒られたり、テニスの球出し練習中に、1球1球、あーしろ・こーしろと言われたり、そういう光景も見たことがあります。

このような風潮から、「現代社会では、多くの人の思考(目線)が ❝短期的❞ になってしまうのは仕方がない」と言われています。多くの人が「短期目線」になってしまうのは、仕方がないことなのです。

しかし、もし「短期目線」に心当たりがあり、それを改善したい!という人であるならば、まずは、自分の「短期目線」に気付き、そして「短期的失敗にネガティブ反応しない練習」をしてほしいと思います。

❝短期的な失敗は、中長期的な成功に含まれている❞ というマインドセットを頭の中にインプットするだけでも、短期的失敗に対するネガティブ反応が軽減すると思います。

失敗をしたとしても、マイナス思考を引きずることなく、フィードバックで修正して、次に進めば良いのです。

 

試合の時は「忘れる」方が良い

 

ただ、『試合中』に限った話をすると、「フィードバックすらせずに次に進む」方が集中力を維持できる可能性が高いです。

もちろん状況によるとは思いますが、メンタル面の安定を考えた場合、「忘れて次に進む」方が効果的だったりします。

試合中に、ミスしたことについて、あーだこーだ考えてしまうと、それが雑念となって、集中力を乱すことに繋がるからです。

ですので、試合時のミスに対処するために、普段の練習の時から「気にしない練習」とか「忘れる練習」もすることをお勧めします。

テニスにミスはつきもので、練習中にたくさんミスするでしょうから、メンタルトレーニングできる機会は多いと思います。

ミスしても「気にせず次!」「忘れて次!」です。

 

最後に、テニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラーのメンタルの強さについて語った、フェデラーの元コーチの言葉を紹介します。

「ロジャーは忘れる天才だ。」