大数の法則

 

今日のテーマは 『大数の法則』 です。

 

『大数の法則』とは、「数多くの試行を重ねることで、理論上の確率に近づいていく」という法則です。

これは、スイスの数学者ベルヌーイという人が提唱した法則で、「1つ1つの予測は極めて困難であるが、多くの試行がなされれば、全体的な分布はかなり正確に予測することができる」ということです。

(「試行を重ねることで、理論上の確率に近づいていく」という現象のことを『確率の収束』と言います。)

今日は、この法則を説明するために、サイコロの話をしたいと思います。

 

サイコロは1~6の数字があるので、サイコロを振った時の出目は、理論上の確率では6分の1(16.6…%)ということになります。

なのですが、6回振ったとしても、全ての数字が1回づつ出ることはほぼありません(可能性としてはあり得ますが…)。つまり、16.6…%という確率通りにはなりません。それはなぜかというと、6回では試行回数が少ないからです。

しかし、100回、200回、500回と振っていくと、だんだんと全ての数字の出目が均等な回数に近づいていきます。

そして、このサイコロの出目が、理論上の確率16.6…%に収束するための試行回数は・・・・・なんと 『 2000回 』 です ( ゚Д゚)。

2000回サイコロを振ることによって、ほぼ理論上通りの確率が出現するのです。

逆に言うと、16.6…%の確率のものがあるとしても、2000回の試行をしなければ、それが本当かどうか分からないということです。

 

他の例でいうと、コインを投げて表か裏かの確率50%の場合、確率収束に必要な試行回数は、『 384回 』です。

384回コインを投げると、だいたい「表192回・裏192回」になるということです。( ❝だいたい❞ というのは、「プラスマイナス5%の範囲内に収まる」=「上下5%のズレは許容して下さい」ということだからです。)

以下、確率収束に必要な試行回数です。

「100% ⇒ 1回」 「90% ⇒ 43回」 「80% ⇒ 96回」 「70% ⇒ 165回」 「60% ⇒ 256回」 「50% ⇒ 384回」 「40% ⇒ 576回」 「30% ⇒ 896回」 「20% ⇒ 1537回」 「16.6…% ⇒ 2000回」

 

要するに、 ❝確率❞ というのは、多くの試行回数をこなさないのであれば、あまり役に立たないということです。

ですので、 ❝短期目線の人❞ や ❝視野が狭い人❞ や ❝目先ばかりを見る人❞ というのは、❝確率❞ という概念を、誤って理解している可能性が高いです。

 

前回の話の中に登場した ❝普通の営業マン❞ は、正に ❝確率を誤って理解しているタイプ❞ で、営業に行って3回連続で断られたくらいで怒ってましたが、成約率20%の優秀営業マンはその程度のことは気にしません。

なぜなら(成約率20%の確率収束試行回数は1,537回であるということまでは知らないとしても)、「大量に行動するからこそ、だんだんと結果が安定して出てくる」ということを知っているからです。

このような営業マンは、断られることを前提で、とにかく多くの人に会おうとするそうです。しかも、ある一定以上の人数を超えていくと、断られることに対してあまり気にならなくなり、怒ることも傷つくこともなくなってくるそうです。しかも、そのうちに結果が出始めます。大数の法則が作用し始めるからです。

この『大数の法則』は、「大量に行動をしないと、そもそも結果が安定して出るわけがない」ということを教えてくれます。1回や2回の失敗に対して一喜一憂するのは、確率論の観点からも正しい姿勢ではないと言えるのです。

 

名言集

それでは、最後に名言集です。

 

「営業マンの44%が1回の営業で諦める。24%が2回目で諦める。14%が3回目で諦める。12%が4回目で諦める。全部足すと、94%のセールスマンが4回目までの営業で諦めているということになる。しかし、全ての営業活動の60%は5回目以降で成立しているのだ。つまり、94%のセールスマンが、セールスチャンスの60%を逃しているのである。どんな分野であれ、この話しは教訓となるだろう。成功しようと思ってチャレンジし、何回かの失敗で諦めてしまう人は成功できない。諦めずにチャレンジし続ける必要があるのだ。」

ハーバート・トゥルー博士(ノートルダム大学のマーケティングの権威)

 

「傑作は、努力せぬ天才の幸運な偶然よりも、作家として長年精進を重ねてきたあげくにこそ、生まれる確率が高いのだ。」

ウィリアム・サマセット・モーム(イギリスの小説家、劇作家)

 

「生来、人間の能力に大差はない。その後の精進によって、大きな違いが生まれる。」

孔子(春秋時代の中国の思想家、哲学者。儒家の始祖)

 

「当選確率が非常に低い宝くじを買う人は大勢いるのに、それよりもずっと実現確率の高い自分の夢に挑戦する人は僅かしかいない。」

ながれおとや(なぞなぞ作家、言葉遊び研究家)