『目に見えるスキル』と『目に見えないスキル』

 

今日のテーマは 『「目に見えるスキル」と「目に見えないスキル」』 です。

 

「目に見えないスキル」とは

基本的にテニススクールのレッスンで習うことの多くは『目に見えるスキル』だと思います。

「ストロークはこういう体の使い方でこういうスイングをする」とか「ボレーはこう構えてこう打つ」とか「フットワーク的にはこのように動く」とか、❝型❞ を教わって、それが出来るように基本練習をします。

このような基本練習はもちろん大切なのですが、テニスの上達のためには、この『目に見えるスキル(型)』だけではなく、『目に見えないスキル』の練習も必要です。というか、むしろ『目に見えないスキル』の方が、より重要かもしれません。

ではその『目に見えないスキル』とはどんなことかというと、感覚的な部分、具体的には、『ボールを飛ばす方向性(左右・高低)』『ボールに対する力の入れ具合(タッチ感・距離感)』『ボールへの回転量の調節(スピン・スライス)』などの ❝ボールコントロール能力❞ や、『リズム』『バランス』『反応』などの ❝コーディネーション能力❞ 、そしてその複合能力のことです。

戦術やポジショニングとかも、❝目に見える❞ 部分もありますが、感覚的な ❝目に見えない❞ 部分の方が大きいと思います。

❝型❞ 重視の基本練習では身に付かない

そして、このような『目に見えないスキル』は、❝型❞ 重視の基本練習をしても、あまり身につきません。(もちろん、全く関係ないわけではなくて、基本練習の中でも『目に見えないスキル』の練習になっている部分もあります。)

ですので、❝ボールコントロール能力❞ でいうと、方向性(左右・高低)を高めるために、いろんな方向やいろんな高さを狙う練習をしたり、タッチ感・距離感を良くするために、短く打ったり長く打ったり、ゆっくり打ったり強く打ったり、いろんな距離にいろんなスピードで打つ練習をしたり、回転量の調節練習で、色んな方向の回転(縦回転、逆回転、横回転)や、色んな回転量(トップスピンからフラットまで)を打つ練習をしたり、こんな感じの練習をする必要があります。

また、戦術やポジショニングに関しては、コートを小さくしたり、柔らかいボールを使ったりして、テニスを簡易化して、ミニゲームや実践練習をするといいと思います。

PLAY&STAY

低年齢のジュニアだと、ITF(国際テニス連盟)・JTA(日本テニス協会)が推奨するPLAY&STAY(子供の年齢とレベルに応じて、レッド・オレンジ・グリーンといったいろんな硬さのボールや、いろんな大きさのラケットを使って行う、低年齢ジュニアに対する発掘、育成プログラム)を導入しているスクールも多いわけですが、これは、子供だけにとどまらず、一般の人にも大いに役に立つプログラムだと思います。

ボールコントロールや戦術やポジショニング、コーディネーション能力などの ❝感覚的な目に見えないスキル❞ を楽しみながら伸ばすことができるので、初心者~中級者くらいの人は、大人子供問わず、是非取り入れてみて下さい。

両方をバランス良く

ということで、今回は『目に見えるスキル』と『目に見えないスキル』の話でした。

『目に見えるスキル』の基本練習はもちろん大切ですので、 ❝スキル習得段階4ステップ❞ によって、いろんな基本スキルを習得して欲しいのですが、実際は基本練習ばかりしていても上達しませんので、同時に『目に見えないスキル(感覚)』を伸ばす練習も取り入れて下さい!ということでした。

「やたらとフォームをチェックして基本練習をたくさんしている人」よりも、「ほとんど基本練習をせずに試合ばっかりしている人」の方が試合をしたら強い…というのも結構ある話です。ですので、基礎錬ばかりにならないように注意して下さい。『目に見えるスキル』と『目に見えないスキル』の両方をバランス良く練習することが大切です。

 

名言集

 

「一流と二流の差は何かと言えば、私は頭脳と感覚の違いだと思うのです。」

野村克也(元プロ野球選手・コーチ・監督、プロ野球史上初・捕手の三冠王獲得、通算本塁打数歴代2位・657本、通算の安打数・打点数も歴代2位)

 

「見えているからといって、それが事実だとは限らない。誰も目で何かを見るわけではない。ただ、感覚で見ている。 」

ウィトゲンシュタイン(イギリスのケンブリッジ大学で活躍した哲学者)

 

「何事も年齢が上がってから覚えた人は、感覚よりも知識に頼る傾向がある。 」

羽生善治(将棋界のレジェンド、史上初の永世七冠を達成、2018年国民栄誉賞受賞)

 

「駆け出しのマンガ家は、絵も拙く、表現も生硬だが、感覚だけは強烈な武器となる。」

手塚治虫 (戦後日本におけるストーリー漫画の第一人者。代表作:『ジャングル大帝』『鉄腕アトム』『火の鳥』『ブラック・ジャック』・・etc)