今日のテーマは 『「集中」について知っておきたい知識 』 です。
人間は集中することが得意ではない
「集中を維持することはそう簡単なことではない」という意見を持っている人は結構多いと思いますが、実際、その意見は正しいです。
そもそも人間は本来、集中することが得意ではありません。
それはなぜかというと、狩猟をしていた太古の時代、我々の祖先が、いつ外敵に襲われてもおかしくないようなストレスのかかる状況下で、常に周りに注意を払わなければならない生活をしていたからです。
人間が、そんな状況下でも、すぐに何かに集中してしまい、周りが見えなくなるような動物だったら、おそらく絶滅しています。太古の時代を生き抜くためには、❝集中しないこと❞ が必要だったのです。
そして現代になってもその遺伝子が引き継がれているので、人の意識が分散しやすいのはあたりまえなのです。
集中する能力も持っている
かと言って、集中する能力がない訳ではありません。むしろ、楽しいことや興味のあることに対しては、結構簡単に集中できます。
実際、面白いゲームをしている時とか、ハマっている漫画を読んでいる時とか、気の合う友達とおしゃべりしている時とか、インターネットで探し物をしている時とか(・・・etc)、あっという間に時間が過ぎて「もうこんな時間!?」と思った経験が誰しもあると思います。これは結構な集中状態に入っていたと言えます。
また、「この子は集中力がなくって…。どうしたらいいですか?」とかいう親御さんがたまにいらっしゃいますが、お迎えを待っているその子は、携帯ゲーム機だけを見つめて超真剣です。かなりの集中力を発揮しています。フロー状態に入っています。(笑い話のようなホントの話)
このように、心から楽しんでいる時は、無意識的に集中できるのも事実です。(ですので、試合の時「楽しもう!」みたいなアドバイスがあるのかもしれません。)
もし、「私は集中力がない」というセルフイメージを持っている人がいたら、すぐにそのセルフイメージを改めて下さい。集中する能力は誰もが持っているものだからです。
プレッシャーがかかると集中しにくい
ただ、上記の例の場合は、リラックスしている時の話であり、集中しやすい状況といえます。
しかし、プレッシャーのかかる状況下では、勝手が違います。大事な試合などのプレッシャーがかかる状況下というのは、我々の祖先が、いつも身の危険を感じて生活していたストレスのある状況と同じようなものです。
そして、そういう時には、「危険を察知するために、周りに注意を向けている状態」に自然に入っていますので、それはつまり「周りに気を取られやすい状態」になっているということです。
という理由で、プレッシャーがかかった時というのは、基本的に集中力を発揮しにくいのです。
ということで、試合の時、どんなに集中しようとしても、周囲のいろんなものや、自分自身の雑念に、つい意識がとられてしまうというのはある意味仕方がないことであり、完全にシャットアウトするのは難しいのです。
例えば・・・
・観客(誰がみているか)が気になる
・隣のコートの選手が気になる(うるさい)
・相手が気になる
・風が気になる、太陽が気になる
といった外部要因や、
・このポイントは大事だから絶対取らなければ…
・このゲーム取られたらヤバい…
・この試合負けたら恥ずかしい…
・この人には負けられない…
・ブレークポイントだ…マッチポイントだ…(絶対欲しい)
といった内部要因など、集中を疎外されるような要素はたくさんあります。
知っておきたいこと
ですので、まずは、「そういうものなんだ」ということを知ってほしいと思います。
自分で「私は集中力がない↘」とか「私は注意散漫だ↘」というセルフイメージを持つ必要はありません。
なぜなら、状況によってはそれが「普通のこと」だからです。
また、親御さんや先生やコーチの方であっても、子供に「あんたは集中力がない!」「何で集中できないの!」といった、悪いセルフイメージを埋め込むような言葉を浴びせる必要はありません。(というかしてはいけない(-_-;))
なぜなら、状況によってはそれが「普通のこと」だからです。
そして、子供自身が「私は集中力がない人」などというセルフイメージを持ってしまうことを、絶対に避けたいからです。
悪いセルフイメージを持ってしまったら、自分の能力を自分でブロックすることになってしまい、進化できなくなってしまいますので、注意してください。。
では、次回は「プレッシャーの中で集中するためにはどうすればいいのか?」についての投稿にしたいと思います。