練習の「質」

 

今日のテーマは 『 練習の「質」』 です。

 

「質」を考える

前回は、「才能やセンスは時間で作られる」という話をしたのですが、今回は「ただ時間を消費すれば良いということではありません」という話をしたいと思います。

人の脳は、何度も何度も練習を積み重ねることで、特定の動きをプログラムとして記憶し、いつでもそれを表現できるようになります。

ですので、時間をかけて繰り返し練習するわけなのですが、ある一定のレベルになった時、「あれ、最近上達してない気がするなあ…。」と思ったことはないでしょうか?

上達を望んで真面目に取り組んでいる人であれば、結構な確率でそう思ったことがあるのではないかと思います。

そういう時は、練習の「質」を考えてみて下さい。スキル面でもメンタル面でも、その練習が今の自分の実力に沿っているのかどうかを確認してみて下さい。

例えば、練習の強度やレベルが高過ぎたり低過ぎたりして、「自分にとって効率の良い練習」になっていない…とか、毎日あたりまえのように練習しているせいで、知らず知らずのうちに集中力や緊張感が低下してしまっている…とか、色々と考えられると思います。

(もちろん、成長の過程で、正しいことをしていたとしても「停滞しているように感じる時期」というものがありますので、「そういう時期」なのか、「練習の質に問題がある」のかという判断はしないといけません。わからない方は、身近なコーチに聞いてみてください。)

 

上達しない例

上達しない例を1つ挙げると…自転車に乗るとして、最初のまだうまく乗れない時期は、練習するとメキメキ上達するのですが、一旦乗れるようになった場合、それから後はそんなに上達しません。

その後、通学や通勤で10年間毎日自転車に乗ったとしても、競輪選手にはなれないでしょう。

毎日乗ってたら、そのうち1万時間に到達すると思いますが、ロードレースやマウンテンバイクレースに出場できるようなレベルにはなれないでしょう。

理由は、 ❝ただ自転車に乗っているだけ❞ だからです。

同じように、❝ただテニスをしてるだけ❞ では、ある一定のレベルで成長がストップしてしまう可能性が高いです。

ですので、向上し続けるためには、自分の目標に応じた ❝練習の「質」❞ を考える必要があります。

 

「質」の高い練習とは?

では「質の高い練習」とは何なのか?

メンタル面でいうと目的意識と向上心を持ち、本番さながらに集中して真剣に取り組む練習」という感じになります。

(メンタル面以外の要素では、「練習内容が自分のレベルに合っている」「良い練習相手がいる」「良いコーチがいる」「近くに良いテニスクラブがある」「充実したレッスンや練習会がある」「経済面で問題がない」「家族が協力的」・・etc・・という感じでしょうか。他にも「質の高い練習」を実現してくれる、サポートしてくれる要素はたくさんあると思います。)

前回の投稿「才能やセンスは時間で作られる」というのは正しいことだと思います。しかし、その時間の使い方を間違えると(何も考えずにただ打ってるだけ…とか)、効率が悪いのは間違いないですし、それどころか、ある一定のレベルで成長が止まってしまう恐れもありますので、更なる上達を望んでいる場合は、日々の練習の時に、上記のような「質の高い練習を実現してくれる要素」を意識して欲しいと思います。

練習に多くの時間とエネルギーを投入して頑張っているわけですので、できるだけ効率を上げて、成長し続けたいです⇧⇧⇧。

 

ということで、今回はここまでなのですが、前回の記事『才能やセンスは時間で作られる』の  ❝10年ルール❞ を提唱したエリクソン教授は、「目的意識と向上心を持ち、本番さながらに集中して真剣に取り組む練習」のことを、 ❝デリバレートプラクティス❞ と呼んで、その重要性に関する研究をたくさんされています。

エリクソン教授は、❝先天的才能❞ が如何に過大評価されてきたかを証明してこられた方です。

次回はその研究のなかでも「特に優秀」と言われている研究を紹介します。

 

名言集

 

「練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ」

ダルビッシュ有 (プロ野球選手、MLB・シカゴカブス所属)

 

「日々の練習で最も大事にしていることは集中力です」

山田哲人 (東京ヤクルトスワローズ所属、史上初のトリプルスリー複数回達成者)

 

「ある所を超えると、そのトレーニングではその上には行けなくなるところがある。結局は自分自身が編み出す以外ない。最近は自分でつくった練習以外、効果がなくなってきた。」

室伏広治 (アテネ五輪、男子ハンマー投金メダリスト)

 

「やらされる三時間より、やる気の三十分。」

松尾雄治 (ラグビー史上に残る数々の名場面を演出、日本ラグビー史上屈指のスタンドオフ、そして最大のスターの1人と言われる)

 

「質の良い練習を繰り返すことが重要」

筒香嘉智 (プロ野球選手、2019年まで横浜DeNAベイスターズ所属、2020年~メジャーリーガー)

 

「他人を超えるには、自分独自のやり方、考え方を実行しなければならない。」

小出義雄 (マラソン競技指導者、有森裕子、高橋尚子などを指導)

 

「ジャック・ニクラウスの凄さの秘密は、練習でボールを打つ時でも、大きな大会で優勝をかけた最後のワンショットを打つ時と、真剣さが全く変わらないところかな。」

トム・ワトソン (メジャー大会を8度制したゴルフ界のレジェンドの1人)

 

「普段練習で指しているときも、公式戦で大きな勝負をやっているときも、私は、同じ力を発揮することを考えている。」

羽生善治 (将棋界のレジェンド、史上初の永世七冠を達成、2018年国民栄誉賞受賞)