生徒の行動を変えるためには?

 

今日のテーマは 『 生徒の行動を変えるためには? 』 です。

 

行動にフォーカス 

前回は「学習=行動の変化」「行動が変わらなければ、学習したとは言えない。」という話でした。

ということは、指導者側から見た場合、「生徒の行動が変わっていなければ、 ❝教えた❞ とは言えない。」ということになります。

私はテニスコーチなので、指導者側の立場なわけですが、生徒さんの行動を変えることができて初めて、❝教えた❞ と言えるのだと思います。

ですので、やはり生徒さんの「行動」にフォーカスしないといけません。レッスンで色々理論をしゃべって、「今日も色々教えたぜ~(^_^)v!」と満足しているようではダメなのです。

「何を学んだか?」「何を勉強したか?」「何を覚えたか?」「何を理解したか?」よりも、「どのように行動が変わったのか?」の方が重要なのです。

 

指導者が影響を与える

「生徒の行動を変えるためにはどうすれば良いか?」について、とある教育家の先生は次のように言っています。

『相手の成長を考えるのであれば、相手を追い込んでいく必要がある。人は、肉体的にも精神的にも、辛く苦しい思いを乗り越えることで強くなっていく。プッシュしなければ成長させることはできない。「ゆとり教育」「本人の自由」「本人の意志」「褒めて優しく」とか言っていると、怠けてきて退化してしまう。放っておいても、自分の考えと意志で上昇していける強固な ❝マインドセット❞ の持ち主であれば構わないが、多くの人は、特に子供は、まだまだ未熟。未熟な人間に対して、「ゆとり教育」「本人の自由」「本人の意志」「褒めて優しく」とか言っていたら成長させることはできない。その相手を成長させたいのであれば、指導者自身が道筋を示し、導かなければならない。』

そしてこのように考える理由として、

『結局のところ、人は周りの人の影響を受ける。周りの人からの影響を完全に遮ることはできない。なので、指導者が「本人の自由」「本人の意志」とか言って、子供の自由にさせてあげたところで、結局、それ以外の人(学校や塾の先生やコーチや親や親戚の人達、友達や先輩など)の影響を受けてしまう。結局のところ、周りの色んな人から色んな知識や考え方を埋め込まれてしまう。子供が「自分で考えた」と言っても、それは、周りからの影響を受けての ❝考え❞ である可能性が高い。それならば、ある程度しっかりするまでは、指導者が自分で影響を与えた方が良いのである。』

と述べています。

 

ジョコビッチの母・ダイアナさんの言葉

子育てに関して教育熱心だったと言う、ノバク・ジョコビッチのお母さんのダイアナさんも、インタビューで次のように話しています。

 「私達(父母)は3人の子供達に厳しく教育してきた。常に、しっかりとした教育を受けて、賢くあれと言い聞かせてきた。とても教育熱心だったと言えると思う。最近は子供達の環境が変わってきている。子供に、自分のことは自分で決めるようにさせている親が増えている。でも私達が間違っていたとは思っていない。」

 「大人になれば、なんでも自分で決められるようになるでしょう。でも、4歳や5歳、はたまた10歳や15歳そこそこの坊やが、何を決められるというのでしょう?」

 

固定観念ブロック

人は誰でも ❝固定観念❞ を持っています。「私の考えは正しい」「私は知っている」と思っています。なので、基本的に人は学ばないですし、学んだとしても「こういうことだろう…」と、自分の物差しで判断して、自分のやり方を採用するので、結局のところあまり変化が起こらなかったりします。

なので、この「私は正しい」「私は知っている」「自分の物差しで判断」というブロック(=固定化された古いパターン)を壊さないといけません。

簡単な事ではありませんが、生徒も指導者もこれを乗り越えなければ、新しいことを学んで行動を変えていくことはできないのです。

 

言い訳マシーン

また、上記の先生は、指導の過程において、「人間の脳は言い訳マシーンである、ということを知っておかなければならない。」と言います。それについて次のように述べています。

「人の脳は、言い訳を思いつく天才。素早く言い訳を考える。自己正当化して行動しなくてもいい理由を考える。自分でも気づかないレベルで高度な言い訳をしてしまう。しかし、言い訳は成長を止めてしまう。脳はパターンを作って固定して一般化しようとするので、言い訳を1つ作るとそれがパターンになってしまう。1度楽をしてしまうと、どんどん楽な方へ流される。休み癖がつくと固定化してしまう。脳はパターンを決めよう、作ろう、固定しようとしている。どういう発言、どういう行動、どういう習慣を持つかで、決まってしまう。常に意識して、正しい方向に修正しなければならないのである。」

生徒を観察するのはもちろんのこと、指導者自身が悪いパターンにはまっていないかどうか、注意を払う必要があります。

 

指導者がやるべきこと

今日は「生徒の行動を変えるには?」という話だったのですが、更に言うと、実際は「 行動を変える ⇒ 習慣化する ⇒ 成長する 」というところまで導くことが、指導者がやるべきことだと思います。

もちろん、生徒のやる気とか意見とか都合とか生徒との相性とかもありますので、望まれていない場合はそこまではできないしやらないですが、望まれている場合は、そこまで責任を持って指導にあたるようにしたいです。

そして、そのように責任をもって導こうとすることで、色んな学びや経験を得ることができ、自分のコーチとしてのレベルを上げることにも繋がると思います。

 

名言集

それでは最後に名言集です。

 

「リーダーは尊敬されるが、必ずしも好かれるとは限らない。」

ピーター・ドラッカー(経営学者)

 

「リーダーシップは地位ではなく、行動である。」

ドナルド・マクギャノン

 

「リーダーになる前は、成功とはすべて自分自身の成長を指している。だがリーダーになれば、成功とは他の人の成長を意味する。」

ジャック・ウェルチ(ゼネラル・エレクトリック社CEO)

 

「指導する立場にいるものは、他人を指導できるだけの人間になるべく、自分自身を鍛えていかなければいけない。」

川上哲治(元読売巨人軍監督)

 

「自分のベンチで監督と戦ってもしょうがない。選手達には『戦う相手を間違えるなよ』と言っている。」

落合博満(日本の元プロ野球選手、監督)

 

「叱る裏には責任があることをしっかり自覚する。NGを出して、さらに上を求めるのは、その子の可能性を信じているから。」

井村雅代(シンクロ日本代表ヘッドコーチ)

 

「指導者は学ぶことをやめた時、教えることもやめなければならない。」

ロジェ・ルメール(元フランス代表監督)

 

「命令を質問の形に変えると、気持ちよく受け入れられるばかりか、相手に創造性を発揮させることもある。」

デール・カーネギー(米国の実業家、作家)

 

「誰でも怒ることはできる、それは簡単なことだ。しかし、正しい人に、正しい程度に、正しい時に、正しい目的、正しい方法で怒ること、それは簡単ではない。」

アリストテレス(古代ギリシアの哲学者)

 

「人にものを教えることはできない。みずから気づく手助けができるだけだ。」

ガリレオ・ガリレイ(イタリアの物理学者、天文学者)

 

「教えるということは、こちらが差し出したものがつらい義務ではなく貴重な贈り物だと感じられるようなことであるべきです。」

アインシュタイン(理論物理学者、ノーベル物理学賞受賞)

 

「平凡で実直な人間などいくらでもいる。しかし、事に臨んで大事を断ずる人物は容易に求めがたい。人のわずかな欠陥をあげつらうようでは、大才の士は、もとめることが出来ない。」

吉田松陰(明治維新の精神的指導者、松下村塾塾長)