カタルシス効果

 

今日のテーマは 『 カタルシス効果 』 です。

 

「カタルシス」とは、もともとはギリシャ語で ❝浄化❞ ❝排泄❞ を意味する医学用語でしたが、哲学者のアリストテレスが、著書の中で悲劇の解釈に用いたことで、 ❝魂の浄化❞ を意味する用語になったそうです。

『 カタルシス効果 』とは、心の中にある、不安、不快感情、イライラ、辛さ、悲しさなどを、自分で外に出したり、誰かに代弁してもらうことで、気分が楽になるという心理効果のことです。

医学では、ヨーゼフ・ブロイアーというオーストリアの精神科医の先生が、ヒステリー患者に対する治療を行った時に、「鬱積した感情の表現を促すことによって症状が改善する」ということを発見し、その後、親友であり協力者でもあった精神分析学者のジークムント・フロイトが精神治療に用いたことで、心理学用語として扱われるようになったそうです。

 

それでは、「どうすれば『 カタルシス効果 』を得ることができるのか?」について、2つ例を挙げたいと思います。

 

①泣く

悲しい時や辛い時に大泣きしたら、その後なんだか気持ちがスッキリした…という経験がある人も結構いると思います。実際、涙を流すことには『 カタルシス効果 』があると言われています。

それはなぜかというと、感情を伴った涙には、ストレスに関連した物質やホルモンが含まれているからです。また、感情を伴った涙を流すことで、前頭前野の血流が良くなり、幸せホルモンと言われる ❝セロトニン❞ が活性化することも分かっています。

感情を伴った涙を流すことで、ストレス物質を外に出し、リラックス物質を作り出すことができるのです。

ですので、泣きたい時は我慢せずに泣くことで、効果を得ることができますし、実際にリアルタイムで泣きたい気持ちになっていなくても、「悲しい出来事を思い出して泣く」とか、「感動する映画を見て泣く」とか、「悲しい歌を聞いて泣く」とかでも、効果があります。

(ただし、ストレスに関連した物質やホルモンは、目にゴミが入ったとか、あくびをしたとか、ウソ泣きとか、そのような涙には含まれません。)

 

②ネガティブな気持ちを誰かに話す(聞いてもらう)

自分が抱えているストレスなどの話を、誰かに聞いてもらうことは、『 カタルシス効果 』があります。「話を聞いてもらって楽になった…スッキリした…」という経験がある人も結構いると思います。

普段の生活の中で、言いたいことを言えずに我慢ばかりしていると、ストレスが溜まり、些細なことでもイライラしやすくなります。そういった普段口に出せないことや、抑えている感情を誰かに話し、それを受け止めてもらうことで、ストレスが軽減するのです。

(話をしても興味がないような素振りをされたり否定されたりしては逆効果なので、話を聞いてくれる&信頼できる人を選ぶ必要があります。)

話をする相手がいない場合は、(「EQ」の投稿でも書きましたが、)気持ちを文章として紙に書きだしたり、気持ちを絵にしたりなど、気持ちを外に出すことで、効果を得ることができます。

 

 

ということで、2つの例を挙げましたが、 ❝怒り❞ に関してはどうなのか?という疑問を持った方もいると思います。

いろんな不満や怒りが蓄積されてくると、一気に爆発して不適切な行動をしてしまう恐れがある(違法行為とか犯罪とか)ので、それを抑え込み過ぎずに表現したほうが良い場合もあります。実際、その怒りの気持ちを吐き出してみると、スッキリすることもあったりします。

ですので、これも『 カタルシス効果 』なのか!?と思ったりもするのですが、どうやらそうとは言いきれないようです。

確かに、内部に溜まった ❝怒り❞ を一気に爆発させて外部に出すことで、ストレスを軽減する効果がありそうですし、その後、正常な状態に戻ることができそうです。実際、フロイトも「怒りのマグマが沸々と湧き上がり、いつか爆発するのを防ぐためには ❝ガス抜き(発散)❞ が必要」と考えました。

しかし、この通説に疑問を持った1990代の心理学者ブラッド・ブッシュマンが、「怒りの発散は本当に効果があるのか?」について解明すべく実験を行い、「怒りを感じた時に攻撃的な言動に出ると、その怒りは継続し、むしろ、より一層燃え上がってしまう傾向がある。」という結果を得ました。

「怒りを鎮めたいのであれば、発散するのではなく頭を冷やしましょう」ということですね。

 

という感じで、❝怒り❞ についても色々と意見があるのですが、どうやら、『カタルシス(浄化)』には当てはまらないようです。

 

ということで、次回は『カタルシス(浄化)』に当てはまらなかった ❝怒り❞ についての投稿にしたいと思います。