「不安」と「恐怖」は必要な感情

 

今日のテーマは 『「不安」と「恐怖」は必要な感情』 です。

 

「不安」「恐怖」を感じることは必要不可欠能力

「不安」「恐怖」というと、「弱い人が持っているもの」とか、「いらないもの・取り除きたいもの」みたいに思っている人も多いかと思いますが、全くそんなことはありません。

自信満々な人でも「不安」や「恐怖」は必ず持っていますし、いらないどころか、むしろ、太古から人類が生き延びるために絶対に必要だった大切な能力です。

私達の祖先が狩猟をしていた太古の時代の生活は危険に満ち溢れていました。例えば、原野で猛獣の類と出くわすようなことも多かったと思いますが、そういう時は、考える余裕もなく、頭の中が不安と恐怖に支配されて、それに反応して、戦うのか逃げるのか、どちらかの行動をとることになります。

これは ❝闘争・逃走反応❞ と呼ばれ、人間には、この反応により、パフォーマンスを高める能力が備わっています。

人間の脳は「不安」や「恐怖」(ストレス)を感じるとアドレナリンとコルチゾールという神経伝達物質を分泌し、これによって血中の糖分濃度を高め、瞬間的に心肺機能と身体能力を向上させる働きがあります。

要するに、命を守るために、ハイパフォーマンスを出せる状態を作ろうとするのです。

猛獣に襲われそうな時に、ドキドキもなく焦ることもなく「あ~猛獣さんだ~(^^♪。」とか言って楽しそうに近づいていったら、あっという間に襲われて猛獣さんのエサになるでしょう。

「不安」や「恐怖」を感じない動物は生き残れないのです。「不安」や「恐怖」を感じる能力は、自分の身を守るために非常に大切な能力なのです。

 

「不安」や「恐怖」を感じた時の体の反応

具体的な体の反応としては、心臓がドキドキし、血圧が上がって顔が赤くなり、筋肉は緊張し、手のひらや足の裏は汗ばみ、胃腸の働きが抑えられたりします。

なぜそうなるかというと、

・血圧上昇や心臓のドキドキは、「血液を盛んに流して激しい運動を可能にする」ため

・筋肉の緊張は、「より早く、より強く動けるようにする」ため

・手足が程よく汗ばむのは、「戦ったり走ったりする際に滑らないようにする」ため

・おなかが痛くなるのは、「優先的に筋肉に血が供給されるので、胃腸に回る血が抑制され、胃腸の働きが悪くなる」ため

ということです。

つまり、「不安・恐怖の回路」が発動することで、体がストレス状態に置かれると、パフォーマンスが向上し、ここ一番の力を発揮できる体制が整うのです。

 

自分の能力に蓋をしないために

ということなのですが、実際には上記のような体の反応に対して、ネガティブに考えてしまう人が多いです。

多くの人は、それらを ❝悪いこと❞ と思ってしまっています。

「ドキドキしてきた…まずい…

「手に汗かいてきた、やばい…

「おなか痛くなってきた、こんなんじゃダメだ…

という感じです。

しかし、これでは、せっかく ❝パフォーマンスを最大限発揮するための準備❞ を体がしてくれて、エネルギーが湧き出てこようとしているのに、そこに自分で蓋をするようなものです。

この体の反応を ❝悪いこと❞ と認定することは、自分で自分の能力発揮にブレーキをかけてしまう行為なのです。

ですので、まずは 『「不安」や「恐怖」は悪いものではない』という知識を持つことが重要です。悪いどころか、「自分の持っている力を存分に発揮するために必要なもの」なのです。

このような知識を知らなかったために、「自分はメンタルが弱い」とか「自分は弱い人間だ」とか思ってしまっていた人……。そのセルフイメージは ❝間違った思い込み❞ である可能性が結構高いです。

 

偉人の名言

では、最後に偉人の名言です。

 

「恐怖はつねに無知から発生する。」

「逃げれば逃げるほど、恐怖感はつのる」

エマーソン  (アメリカの思想家、哲学者、作家)

 

「恐怖と勇気がどんなに近くに共存しているかは、敵に向って突進する者がいちばんよく知っているであろう。」

モルゲンシュテルン (ミクロ経済学の基礎をつくった経済学者)