「良い褒め方」と「自己肯定感を高める方法」

 

今日のテーマは 『「良い褒め方」と「自己肯定感を高める方法」』 です。

 

前回は、「日本と欧米では、前提となる親子間の関係性があまりも違うので、そうした背景を知らず『褒めて育てる』という思想を『最良の子育て法』として盲信するのは危険である。」「日本流の『褒めて育てる』という考え方は、❝自己肯定感❞ の育成を阻害している可能性がある。」という話でした。今日はその続きです。

 

ではまず、子育てに関して長年研究している、スタンフォード大学の心理学者、キャロル・S・ドゥエック教授の研究結果を紹介します。

ドゥエック教授は研究によって、『 ❝能力を褒める❞ と生徒の知能が下がり、 ❝努力を褒める❞ と生徒の知能が上がる』という関係性を突きとめました。

例えば…

「そんなに早く覚えられたなんて、あなたは本当に頭がいいのね。」

「あなたはスゴいわ。勉強しなくても良い点が取れたんだから。」

という褒め方をすると、子供たちは、

「早く覚えられなければ、頭が良いと思ってもらえない…。」

「勉強しない方がいい。じゃないとスゴいと思ってもらえない…。」

というメッセージを受け取ってしまうそうです。

つまり、このような ❝能力を褒める❞ というのは「良い褒め方」ではなく

逆に…

「こんなに早く覚えられたなんて、一生懸命勉強した成果ね。」

「良く頑張ってたから、こんなに良い点数が取れたのね。」

という感じで、❝努力を褒める❞ のが「良い褒め方」であるということなのです。

このように、心理学的には、「子供とコミュニケーションを取る時には、能力を褒めるのではなく、努力を褒めるべきである。」という研究結果が出ているのです。

 

そして、研究チームは

人を褒める時は、才能や結果を称えるのではなく、個人の努力やプロセスに賛辞を向けたほうが良い。褒め方には注意が必要で、その子の元々の性質ではなく、その努力や時間の使い方、工夫に着目して評価することが、挑戦することを厭わない心を育て、望ましい結果を引き出すのだ。」

と、結論付けています。

 

 

では次に、「どうすれば ❝自己肯定感❞ を高めることができるのか?」についてです。これについて、前回も登場いただいた榎本先生は次のように述べています。

「褒め言葉だけで作られた ❝自己肯定感❞ は脆い。褒められるだけでは、土台のしっかりとした ❝自己肯定感❞ は身につかない。❝自己肯定感❞ は、子供自身が頑張って課題をこなしたり、困難を乗り越えたりすることの積み重ねによって、徐々に形成されていくもの。ゆえに、頑張ってもいないのにやたらと褒められても自信には繋がらない。努力なしに、ただ親から褒められても、『どうせ自分は期待されてないんだ』『この程度の力しかないんだ』という思いから、子供は逆に自信を失ってしまう。」

小手先の褒め言葉よりも重要なもの、それは『愛情』である。それが土台にないと、いくら成果を出しても子供の ❝自己肯定感❞ は育たない。大切な人から、心から大事に思われているということ、これが人としての土台となる。」

「子供は挫折を経験し、悩むことで成長していく。子供が挫折しないようにするのではなく、挫折を乗り越えようと、もがき苦しむのに寄り添う姿勢が親には必要。過保護にならず、かといって無関心にならず、しっかりと見つめつつ、励ましの声をかけ、必要とされたら一緒に考えてあげる。親の一番の役目は、子供と「友達」になることではなく、我が子に人生を生き抜く力を身に付けさせることである。」

 

ということで、子供が ❝自己肯定感❞ を持てるようになるためには、やはり親の存在が大きいのです。ですので、親自身も色んなことを学んだり経験したりして、子供の良き先導者となることができるよう、共に成長していく必要があるでしょう。

常に愛情を持って子供に接し、子供の自主性を阻害しないよう行動を見守り、❝自分で行動❞ して ❝自分で経験(失敗)❞ できるように仕向け、時には褒め、時には叱り、いざという時には頼りになる…」このような存在になることが ❝親がやるべきこと❞ なのです。

 

 

では最後に、人材育成コンサルタントの杉本恵洋さんのお話です。

「鳥が土をつついてミミズを引っ張り出しています。そして、横にいる小鳥に与え…ではなく、欲しがる小鳥を横目に自分で食べました。小鳥に与えることなく何度も自分で食べました。ついに小鳥は親鳥に愛想をつかし、自分で探し始めました。何度も何度も失敗しましたが、何十回目かに、ようやくミミズを掘り出すことに成功しました。

親鳥は小鳥に自立するように導いていたのです。なんと立派な親なのでしょう。人間もそうありたいものです。」