エビングハウスの忘却曲線

 

今日のテーマは 『エビングハウスの忘却曲線』 です。

 

上の図が「エビングハウスの忘却曲線」です。19世紀のドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウス先生が行った記憶に関する実験で分かった結果を表したグラフになります。

もう少し詳しく言うと、「馴染みの全くない無意味な音節を記憶し、時間が経過した後、『どれくらいの手間(時間や回数)で再び覚えることができるか?』を記録したもの」です。

・20分後 - 節約率 - 58% (42%の手間)

・1時間後 - 節約率44% (56%の手間)

・約9時間後 - 節約率 - 36% (64%の手間)

・1日後 - 節約率 - 26% (74%の手間)

・1週間後 - 節約率 - 23% (77%の手間)

・1ヶ月後 - 節約率 - 21% (79%の手間)

というデータが出ています。

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この ❝節約率❞ というのは忘れる割合ではなく、1度記憶した内容を思い出すのに必要な ❝手間(時間や回数)❞ をどれだけ節約できたかを表しているものであり、「20分後に58%の内容を忘れる」ということではないです。

次のような図で説明されている場合が多いですが、誤りです^-^;。

忘却曲線は、何%忘れるかを示すグラフではありません(‘_’)。

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例えば、最初記憶した際10分かかっていたものを、1日後に5分で思い出すことができたとすると、記憶してから1日後の節約率は、

( 節約された時間 = 10分 – 5分 ) ÷ ( 最初に要した時間=10分 )= 0.5 ⇒ 50%

となります。

ちょっとややこしいですが、節約率とは、「ある程度時間をおいてから、再び記憶するまでにかかる手間をどれだけ節約できたか?」ということで、「1時間後には節約率が44%」というのは、「1時間後に再び覚える時は、1回目の56%の手間(時間や回数)で覚えることができますよ(44%節約できますよ)」という意味です。

 

この忘却曲線からの学びは、「最初に学んでから時間が経てば経つほど、思い出すのに手間がかかるので、なるべく早いタイミングで復習しましょう!」ということです。

せっかく何かを学んで、「わかった!」「できた!」と思ったとしても、1回で学びをやめたら、脳に定着することはありません

記憶を定着させるためには、❝繰り返し学ぶ❞ という姿勢も大切ですので、「まずは最初に学んでからなるべく早くに復習をし、その後も何度も繰り返す」ということを実践する必要があるのです。

 

また、エビングハウス先生の他の研究では、「高い頻度の反復学習により、大量のことを覚えることができる」という結果も出ています。

これはどういうことかというと、例えば、英単語を覚えようとする時、「1つの単語にどれだけ時間をかけたか」ではなく、「一定の期間でその単語にどれだけ触れたか」が重要であるということです。

具体的には、「100個の単語を1日10個づつに分けて10日間で覚える」よりも、「1日100個の単語に触れ、それを10日間繰り返す」ほうが効果が高い、ということです。

 

これはテニスの練習にも役立つ考え方だと思います。

例えば、今日はフォアハンドストロークだけ。明日はバックハンドストロークだけ。明後日はサーブだけ。・・・という練習では効率が悪そうです。

前回の「文脈干渉効果」の内容とかぶりますが、基本的には ❝実践練習(ランダム練習)❞ を軸にして、日々多くの技術や色んな状況に触れることができるような練習内容を考えることが大切だと思います。