コーディネーション能力②

 

今日のテーマは 『コーディネーション能力②』 ということで、「コーディネーション7つの能力」について説明したいと思います。

 

「コーディネーション能力」は次の7つに分類されます。それは、「リズム」「バランス」「変換」「反応」「連結」「定位」「識別」です。

実際にテニスをする時は、この複数の能力が組み合わされ、相互に関連し合いながら、「運動能力」として表現されます。

前回でも触れましたが、筋力や瞬発力などの「身体能力」や、個々の「テニス技術力」が高くても、コーディネーション能力が低いと、実践で良いパフォーマンスを出すことはできません。

それでは、1つ1つみていきます。

「リズム」

リズムを作り出し、それを動きで表現できる能力。ボールや相手など目からの情報と、打球音など音からの情報をもとに、打球時やポジション移動時のタイミングを計ることができる能力。

《トレーニング方法の例》

・いろんな方向へスキップ・細かいステップで走る・ラダーを使っていろんなリズムステップ・縄跳び・ミニハードル・・・・etc

「バランス」

静止時・動作時に関わらず、重力に対して身体の均衡を維持する能力。バランスを崩しても修正できる能力。ジャンプ中や無理な姿勢を強いられた時でも、身体のバランスが保てる能力。

《トレーニング方法の例》

・片足立ち、片足ジャンプ(いろんな体勢で)・バランスボール、バランスクッション(いろんな体勢で乗る)・片足立ちやバランスボールに乗ってキャッチボール・・・・etc

「変換」

変化する状況の中で、瞬時に動作のスピードを変えたり、瞬時に負荷を変えたりするなど、動作の切り替えや動作を調整する能力。ドロップショットを打たれた時、ネットに出ている時にロブを打たれた時など、急な変化に対して素早く適切な動作に切り替えたり、相手のショットのスピードや、自分が打ちたい距離により、力を調節することができる能力。

《トレーニング方法の例》

・スピードに変化をつけたダッシュ・シグナルラン(合図で方向転換)・いろんな距離にあるターゲットめがけて投げる・いろんな重さや大きさのボールをターゲットめがけて投げる・・・・etc

「反応」

様々な状況下で、得られる情報に対して素早く反応できる能力。ボールや相手の動き、位置など様々な情報を察知し、適切な動きで素早く反応できる能力。

《トレーニング方法の例》

・後出しじゃんけん・シグナル反応(合図に素早く反応)・相手の動きを即座に真似る・ランダムに飛んでくるボールをキャッチ・・・・etc

「連結」

複数の筋肉や関節を、流れるようにスムーズに動かすことができる能力。ラケットを振る時や、移動する時など、必要な動作に合わせて、無駄のないスムーズな連動を実現する能力。

《トレーニング方法の例》

・右手を前に回しながら、左手を後ろに回す・走りながら腕を回す・スキップをしながら前や後ろで手を叩く・ジャンプしながら右手で頭を撫で左手でお腹を叩く・・・・など、いろんな手の動きと足の動きを組み合わせる

「定位」

動いているもの(人やボール)と自分の位置関係を把握する能力。対戦相手やボールと自分の間にある「空間の距離感」や「ボール変化」を適切に見極め、それに合わせて位置関係を把握する能力。

《トレーニング方法の例》

・回転しながらジャンプ・馬跳び、股くぐりを交互に繰り返す・キャッチボール・いろんな方向やスピードで飛んでくるボールをキャッチする・・・・etc

「識別」

これは上記6つの能力の総和と言っても良い能力で、テニスで言うとラケットやボールを上手に操作する能力。目で見て、状況に応じて足をうまく運んだり、ラケットやボールの操作を、目的に合わせて正確に行える能力。

《トレーニング方法の例》

・上記トレーニングを組み合わせる・各トレーニングにタイムプレッシャーをかける・上記トレーニングを、ラケットやテニスボールを使って行う

 

ということで、以上が「コーディネーション7つの能力」の説明とトレーニング方法の紹介でした。(詳しく知りたい方は「コーディネーショントレーニング」の動画をYouTubeで見てみて下さい。)

ジュニアクラス(もちろん一般クラスもですけど…^-^;)であれば、上記のような方法で、遊びながらコーディネーショントレーニングをすることができます。

ただ、テニススクールのレッスンでコーディネーショントレーニングをしていると、親御さんから「遊ばさないでテニスを教えてくれ!」という苦情が多発します。(テニススクールあるある^-^;)

これには実は指導者側の判断があります。一昔前であれば(私が子供の時は)、同世代の子供が近くの公園に集まって野球やサッカーやドッジボールをしたり、その辺の池や川や田んぼで走り回ったり、木や壁によじ登ったり、自然と「コーディネーション能力」を伸ばす場がたくさんありました。

しかし現代では、公園でボール使用禁止とか、池や川や田んぼで遊んでると怒られたりとか、家庭用ゲーム機の発達などで、普段の生活の中で「コーディネーション能力」を伸ばす場がかなり減少してしまいました。

文部科学省が行っている調査によると、昭和60年頃以降15年以上に渡り、子どもの体力・運動能力は低下の一途をたどっていたそうです。(この10年は若干持ち直しているようです。)

このような理由から、「テニス以前に、運動能力を刺激するところから指導した方が良い(その方が結局上達が早い)。」と考えるコーチが多いということなのです。

 

ちょっと話が脱線しましたが^-^;、結論としては「コーディネーション能力を伸ばすことは、テニスの上達のために非常に大切な事なので、トレーニングを取り入れましょう!」ということです。

ちなみに、普段の生活でもコーディネーション能力が高いに越したことはありません。車を運転したり、自転車に乗ったり、道を歩いたり、家でいろいろと動き回る時でさえ、コーディネーション能力が役立ちます。(危険を察知して回避したり、障害物をよけたり、転ばないようにバランスをとったり・・・・etc)

 

ただ、やはり一般の方(大人の愛好家)の場合は、コーディネーショントレーニングといっても、「後出しじゃんけん」とか「馬飛び」とか「ラダー・ハードル」とかは、たぶんやらないと思うので(・_・;)、「ラケットとボールを使って行うコーディネーショントレーニング」をいろいろと考えて、いつもの練習に取り入れてみて下さい。

わからない方は、身近なコーチに聞いてみて下さい^-^;。(次回ドリルを紹介しようと思いましたが、文章で説明するのがなかなか難しいので、諦めました(-_-;))